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2023.08.03

酒器によって味わいが変わる?日本酒と酒器の楽しみ方。

日本酒を飲むときに使う酒器は、徳利(とっくり)やお猪口(おちょこ)、片口、グラスなど、さまざまな種類があります。何気なく選び、何気なく使っている方も多いかもしれません。一般的に使う酒器の形状によって、舌の形は変わります。
”甘味、酸味、辛味、苦味、渋味”のいわゆる五味を感じる部分は舌の場所によって多少違います。その微細な変化によって味が違って感じられると言われています。
もちろん人間が美味しいと感じるのは味覚だけではありません。
お酒の香り、舌触り、見た目、喉越し、などの様々な要素が起因します。酒器の素材や形によって、それらの要素の感じ方も変わってくるのです。
本日は素材による日本酒の違いをお届けまします。


硝子

透明感のあるガラスの酒器の最大の特徴は、なんといっても見た目が涼やかななため冷酒を楽しむ酒器によく使わています。
また硝子は無味無臭なため酒の味をダイレクトに感じられ日本酒の味本来を引き出します。酒器によってかき消されてしまいがちなシャープなお酒や、繊細さを持ち合わせているお酒に合います。お酒の繊細な色合いも分かり、視覚でも楽しめます。海外の日本酒ブームもあり、ワイングラスで日本酒を飲む方たちも増えているそうです。

錫(スズ)

錫器の歴史は古く、今から約3500年前、古代文明にまで遡ります。
柔らかく、割れないという特長を持っている特殊な金属です。
「不純物を吸収し水を浄化する」「イオン効果による殺菌・ 鮮度保持機能」「空気中や水中でも錆びない」といった優れた特性もあり、
日本酒などの雑味を分解し味わいをまろやかに、甘くするといわれています。

また、金属にはそれぞれ固有の匂いがありますが、錫は「甘くフルーティな芳香をもつ」不思議な金属です。錫の果実のような芳香は、注いだお茶やお酒をより引き立てると古くから愛好されています
「熱伝導率が優れている」ことも大きな特性で、陶器に比べて1.8倍の速さで熱を移動させ、50倍のスピードで器全体に伝えることができます。
お酒を燗にすればすばやく温まり、冷酒やワイン・ビールはより冷たい状態で楽しめます。

陶器

日本酒の器としてよく使われる素材の陶器。粘土が原料で同じ自然素材の米と水から造られる日本酒ともよく馴染みます。石粉を原料とする磁器は、焼いた後に半ガラス質になるため、すっきりとした口当たりの良さを楽しめます。

陶器は、ガラスよりしっかりした味になりますが、見た目に白くツルリとした素材感があり、味は陶器に比べ軽く、さらりと飲めます。 
一番熱燗を注いだ時に、しっかりと手で暖を取れるというか熱さ、温かさを体験しやすいのではないかとおもいます。
また、日本全国に色々な窯元、種類があるので好みのものも探すのも楽しみの一つではないでしょうか。

枡(木製)

枡についてですが、江戸時代に商人がお酒を売るときに計量具である枡でお酒を量り売りし、そのまま試飲に使用していたのが枡でお酒を飲む風習の原型と言われています。
木の香りそのものを楽しめるのが最大の魅力で、お酒の臭みを和らげてくれる効果もあるので日本酒がさらに飲みやすくなります。

ガラスや陶器に比べて軽く、落としても割れにくため長く愛用することができるのもいい点です。
日本だと、グラスの受け皿として使用されている事も多いです。
口当たりのやさしさやスムースな手触りは、ゆっくりとお酒を楽しむ時間にピッタリです。

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